人は迷うと行動をしなくなる−つまり立ち止まってしまうと言われています。
おそらく生物的な防衛本能でしょうね。
不明確なことに立ち向かうのはそれだけ死のリスクがありますから、自分にとって分からないことがあったら、とりあえずその場に立ち止まった方が安全なわけです。だから、人は迷うと立ち止まる。
だから、セールスをかけるときも、相手方(お客様)迷わせないほうがベターなわけです。
相手が迷わないように、あらかじめこちらから情報を提示して、相手を考えさせないようにする。できれば売り手側が、一方的に情報を与えて、相手に考える余地をなくすと、商品は売れやすくなります。
経営で有名なフィリップ・コトラーは、人が情報を入手する際、3つのバイアスがかかると提唱しました。
「選択的注意」「選択的記憶」「選択的歪曲」の3です。
したがって、人を迷わせてしまうと、さらに以下のようなコトラーが提唱した3つのバイアスがかかってしまう可能性があります。
※誰が読んでもわかりやすいように、厳密な意味から僕なり崩して解説しますので、完全な引用ではありません。フィリップ・コトラーの3つのバイアスについて完璧に知りたい人は、書籍を読むことをお勧めします。
コトラーの3つのバイアス
※バイアスとは、偏見や偏りという意味です。
A 選択的注意
選択的注意とは簡単に言ってしまうと、「人は自分の聞きたいことしか聞かない」ということです。
人は自分にとって嫌な情報は聞きいれません。メッセージを受け取ったときに、耳に痛いこととかは、簡単にスルーしてしまいます。
だから余談になりますが、情報発信であまりにも鋭い、一定の人を批判するような情報発信をしてしまうと、読んでもらえないということになります。インターネットだと余計に簡単に、×ボタンが押せてしまいますから。
B 選択的記憶
選択的記憶を簡単に言うと、「自分の覚えたいものだけを覚える」ということです。
人はとにかく自分の覚えたいものだけを抽出して記憶します。だから、逆に嫌なことや興味のないことはすぐに忘れてしまいます。
ですから、読者さんに対して複雑で難解なメッセージを送ってしまうと、読者の興味は薄れますから、すぐに忘れ去られてしまうわけです。情報発信をする上で、シンプルに伝えることは重要になってきますね。
C 選択的歪曲
そして最後が、選択的歪曲です。
選択的歪曲を簡単に言うと「自分の都合のいいように解釈する」ということ。
人はメッセージを受け取って、いろいろと考えるうちに、自分の都合のいいように解釈を変えてしまうわけですよね。
例え、理論的な文章でも解釈が分かれてしまいます。例えば、法律の文章などあれだけ理論的な文章でも、たくさんの解釈に分かれてしまいますし。
コトラーは以上のような3つのバイアスについて語っています。
人を迷わせてしまうデメリット
つまり、ここまでの話をまとめると、人を迷わせ考えさせてしまうと以下のようなデメリットが生じるということです。
- そもそも注意を向けてもらえない(選択的注意)
- 注意を向けてもらえても覚えてもらえない(選択的記憶)
- 注意を向けて、頭に入れてもらっても都合のいいように解釈される(選択的歪曲)
- そして最後に、迷うと立ち止まる
簡単に言うと、人を迷わせると以上のようなデメリットが生じてしまうのです。
人を迷わせないためにはどうすればいいのか?
では、コトラーの3つのバイアスを回避して、人を迷わせないためにはどうすればいいのか。
主に3つのことを意識すると、人を迷わせずバイアスを回避することができます。
A 情報がシンプルであること
最近の記事で繰り返すように言っていますが、メッセージはシンプルであればあるほど、相手に伝わりやすいです。
いかに正しい理論でも、その理論が複雑で分かりにくいものなら、読み取ることに苦労しますし、そもそも読まれない可能性があります。
後、人は複雑で分かりにくいことを目の当たりにすると、考えてしまうんですよね。そのメッセージを理解するために考えて、少し冷静になってしまう。しかしそれでは読み手は、先ほどいった選択的歪曲のように、自分に都合のいいように解釈してしまうかもしれない。
ならいっそのこと、考えさせないように、解釈の余地がないようにシンプルなメッセージにした方が、あなたの主張をしっかりと読み手に伝えることできます。
B メッセージを断言する
次に大切なことは、メッセージを断言すること。
断言すると言うと少し難しいように聞こえますが簡単に言うと、”言い切る”ということです。
例えば、商品を紹介して相手方に買ってもらいたいなら、「この商品は良いものです」と、言い切ること。たまに、人に商品を紹介する立場の人で、「この商品は悪くないものだと思います」というような言い方をする方がいますが、そのような曖昧な言い方は避けるべきです。
「この商品は悪くないと思います」という言い方で商品を紹介されたら、お客さんの立場からしたら「ん?この商品は悪くないらしいけど、良いものなのか?」と疑問が浮かんでしまいます。
そうなれば、お客さんが自分自身で商品の価値を判断してしまい、買わなるかもしれませんし、他の方のレビューや話を聞いて、買わないという結論に至ってしまう可能性だってあります。
だからもし、商品を紹介して相手に買ってもらいたいならば、良いものなら良いと言い切って、悪いものなら悪いと言い切った方が、相手を迷わせず、立ち止まらせずにメッセージを伝えることができます。
自分がお客の立場だとしても、言い切ったもらった方が、判断に困りませんよね。
C 娯楽性を加える
最後に、つい忘れがちになってしまう要素ですが、メッセージに娯楽性を加えると、選択的注意を避けることができます。
やっぱり、つまらないものに興味を向けようと思いませんし、読もうとも思いませんよね。自分たちがネットサーフィンをしていても、面白くないページやサイトはすぐにブラウザバックしてしまうはずです。
意識せずに、辞書や専門書を読みたいとは思わないわけです。
逆に、面白くユーモアのあるものは、無意識にでも興味を引かれます。テレビCMでも、基本的にはボーッと眺めているだけの場合が多いですが、面白そうなCMが始まると、つい見てしまうものす。
扇動で有名なナチスなどは大衆を動かす上で、この”娯楽性”を目一杯利用したと言われています。
政党のメッセージや主張を伝えるとき、積極的に映画やアニメを利用したという記録が残っています。大衆は、映画やアニメを面白いと見ている間に、自然とナチスの主張やメッセージを受け取っているのですね。怖いものです。
だから、メッセージや主張に娯楽性を入れると、人の興味を引くことができますから、多くの人に読まれるというメリットがあります。
まとめ
情報発信やビジネスを行うなら、コトラーの3つのバイアスは頭の片隅に置いておいても損はありません。
メッセージを発信するときは、とにかく相手を迷わせない、なぜなら人は迷うと立ち止まってしまうし、「選択的注意」「選択的記憶」「選択的歪曲」という3つのバイアスがかかってしまうから。
そして、人を迷わせず、バイアスを避けるためには、「シンプルであること」「主張を断言すること」「娯楽性を加えること」この3つを意識すると、効果的にメッセージを伝えることができます。
メッセージ一つ伝えるにしても、これだけ意識することがあるのですから、情報発信は奥が深いですね。
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