僕は、大学で認知心理学を履修していることから(主専攻ではないですが)、心理学の本を読むことがあります。

先日、ゼミの研究の一環として、ダニエル・カーネマンのFast and Slowを読み直しました。そこに登場した、プロスペクト理論について、情報発信ビジネスと絡めて、アウトプットのつもりでまとめておこうと思います。

プロスペクト理論とは

プロスペクト理論とは何か、すごく簡単に言ってしまうと、

損失と利得を直接比較した場合でも、確率で重みをつけた場合でも、損失は利得より強く感じられる。 Daniel Kahneman(2012) Fast and Slow 早川書房 P.76 l14-l15

のことです。具体例で見てみましょうか。

 

coin01

 

次の2つの選択肢からどちらか1つを選べと言われたら、あなたはどちらを選びますか?

 

問1 どちらか一方の選択肢を選んでください。

  • 選択肢A 9万円確実にもらえる
  • 選択肢B  90%の確率で10万円もらえる

 

さあ、あなたはどちらを選びましたか?

多く人が、選択肢Aの「9万円確実にもらえる」ほうを選んだはずです。もちろん僕自身も、選択肢Aを選びました。じゃあ、なぜ選択肢Aを選んだんでしょう。

 

先ほどの問1を冷静に考えてみてください。数学的な話をすると、選択肢AとBの間に優劣はありません。選択肢Aと選択肢Bは期待値上では、全く同じ選択肢なんです。

なのに多くの人が選択肢Aを選ぶ。なぜなら、選択肢Bには”10%の確率で1円たりとも貰えなくなるリスク”が存在するからです。このように、利得もあれば、損失もありうるギャンブルでは、人はリスクをできるだけ避ける傾向があります。より、この傾向が分かりやすくなるように、もう一つ例を挙げてみます。

 

問2 あなたはコイン投げのギャンブルに誘われました。

  • 選択肢A 裏が出たら1万円を支払う必要があります
  • 選択肢B 表が出たら1万5千円もらえます

あなたはこのコインギャンブルに参加しますか?

 

たぶん、多くの人がこのコインギャンブルには参加しないでしょう。僕も、たぶんこのギャンブルには参加しません。

参加するかどうかを決めるとき、あなたは、「1万5千円もらえる」ことと「1万払うこと」の2つの選択肢を心の中で天秤にかけたはずです。そして、参加を止めた。

 

この問2のギャンブルについても、冷静に考えてみてください。コインの表と裏が出る確率は50%ずつ。つまり、「1万円払う」確率が50%、「1万5千円もらえる」確率が50%ですから、期待値上では、明らかに参加したほうが得なんです。ただ、多くの人がこのコインギャンブルには参加しないでしょう。

なぜなら、1万5千円もらえることよりも、1万円払うことのほうが、”重い”からです。別の言い方をすると、1万5千円もらう嬉しさよりも、1万円失う恐怖のほうが大きいんです。

 

このように、人が利得よりも損失の方を強く感じることをプロスペクト理論と言います。

(本当は、プロスペクト理論はもっと色々な意味があるのですが、ここでは「損失が利得よりも強く感じられる」ということだけ理解してくれたらいいです。)

 

で、ずいぶんと前置きが長くなってしまいましたが、プロスペクト理論ってコピーライティングにも使えるな、と思ったので記事にまとめようと思ったのです。ここからが本題。

 

プロスペクト理論から学ぶコピーライティング

先ほどのプロスペクト理論の話から分かるように、人は利得よりも損失に強く反応します。この人の性質は、コピーライティングに応用できます。

 

例えば、誰か友達にダイエットを薦めるとき、大抵の人は、次のようにダイエットをするメリットを伝えて、行動を促すと思います。

「ダイエットをすると、健康にもいいし、食費も浮くし、やっぱり痩せたほうが女性ウケがいいよ。」と言うように。

 

ただ、先ほどののプロスペクト理論から学んだことを活かすと、次のように言い換えることもできます。

 

「もうちょっと痩せないとマズイよ。そのままだと、将来、高血圧や動脈硬化のリスクもあるし、膝や腰を痛めるかもしれない。何よりそのままじゃあ、女性に嫌われるよ。」

というように、ダイエットをしないデメリット・リスクを伝えると、効果的で、その人により突き刺さるコピーが書けるということです。

 

 

もちろん前者のように、メリットを押し出したコピーでもいいのですが、ここで僕が伝えたかったことは、人に恐怖を与える(それをやらないことによってもたらされるリスク)コピーも有効だよ、ということです。

 

この理論は、もちろんあなたが商品を売り込むコピーを書くときにも有効に使えます。

あなたの紹介する商品を見込み客が手に入れてどのような明るい将来(利得)が待っているのかを押し出してもいいですが、それよりも、あなたの紹介する商品を買わないことによって、どんな最悪の未来(損失)が待っているのかを書くと、見込み客の心にはさらに突き刺さるコピーとなります。

 

人に突き刺さるコピーを書きたいなら、プロスペクト理論から分かるように、利得とともに損失も強調する必要があるのです。

 

 

他にも、プロスペクト理論を用いたコピーがあります。最後にもう一つだけ面白い具体例を出します。

 

例えば、あなたが会社の社長だとして、1000万円を持っていたとします。しかし、状況は悪化し、会社は倒産。借金を返すためにあなたのお金は持って行かれることになりました。あなたは次のうちどちらを選択しますか?

  • 400万円だけでも残るようにする
  • 600万円を支払う

 

さあ、どちらを選択しましたか?

 

おそらくほとんどの人が、「400万円だけでも残るようにする」を選んだはずです。

この例題も冷静に考えてみてください。結局どちらの選択肢でも、600万円を失って、400万円が手元に残るようになります。ただ、言い回しを変えただけです(笑)

 

 

このように、ただ言い方を変えただけでも、ずいぶんと印象が変わるのです。

ちょっとした言葉遊びのような印象ですが、有効に使えると、あなたのコピーライティングスキルも飛躍するでしょう。

 

今日はこのへんで。ではまた!

 

 

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