自分は、大学で情報学を主に専攻しているのですが、よくこんなことを聞かれます。

「情報学って何を学んでるの?」「将来どんなふうに活かせるの?」みたいなことをすごく聞かれるんですよね。

 

たしかに、理系の工学や文系の法学とかだと、勉強している内容が大体イメージできて、将来どんな就職をするのか見当がつきますよね。でも情報って言われてもピンときません 笑

よく言われることが「情報ってやっぱりプログラミングとか?」「将来はIT企業に就職するんでしょ」みたいなこと。これは半分正解で半分違うかな、というのが僕の意見です。

 

せっかくなので、情報学についてまとめておこうと思います。

時期的にも大学受験の時期ですしね。情報系の学部に進む受験生の参考になれば嬉しいです。

(正規の学術的説明とは異なります。あくまで僕が自己の体験や自分なりに解釈してお話ししていきますので、参考程度に)

 

そもそも情報学とは?

情報学を一言で表すなら、「暗黙知を形式知に変換していく学問・分野」のことです。

 

暗黙知とは?

 

暗黙知というのは、経験や勘の要素をたくさん含む知識のことを言います。

これも噛み砕いて説明しますが、自転車の乗り方を具体例に挙げましょう。

 

例えば、自転車は一度スイスイと乗れると、よほどのことがない限り、自転車の乗り方は忘れませんよね。”自転車の乗り方を身体が覚える”というとわかりやすいでしょうか。

このような自転車の乗り方みたいに、体験や勘としての要素を多く含む知識のことを暗黙知なんて言ったりします。

 

で、さらにこの自転車の乗り方ですが、スイスイ乗れるようになったとしても、その自転車の乗り方をいざ言葉で他人に説明しろと言われても難しいですよね。「とにかく漕いで前に進む力を得て、身体で重心とハンドルでバランスをとる」くらいしか、言葉で説明できないと思います。

 

このように、自分は分かっているんだけど、いざそれを言葉で相手に説明しようと思った時に難しいというのも、暗黙知の特徴です。

 

形式知とは?

 

暗黙知の反対の意味の言葉で、文章や図表、数式などで説明できる知識のことを形式と言います。

 

形式知の例によく挙げられるものは、マニュアルなどですね。

バイトの仕事内容などをマニュアルにして渡されたりすると思いますが、そういった誰にでも分かりやすく伝えられる知識は基本的に形式知にあたります。

 

暗黙知から形式知へ変換するのが情報学

このように、他人にうまく言葉で説明できないような知識を誰もが理解できるような知識に変換する、それが情報学の役割です。

自分の通っている大学では、情報学とは何かということを教授がこのように説明してたんですね。この話を聞いた時、個人的にはすごくしっくりくる情報学の説明だなと思いました。

 

「分かりにくい・理解しにくい情報」を「誰でもが理解できる情報」に変換する。その情報を扱う手段として、コンピュータやインターネットを利用するわけです。

ですから、プログラミングやIT技術というのは、情報を扱うための手段なのです。(中には、プログラミングやコンピュータサイエンスを主に研究する人もいますが)

 

さらに付け足すなら、様々な仕組みをシステム化するのも情報学の役割になります。

例えば、経営に情報学を利用するなら、生産や販売などの仕組みを情報学を活かして、最も効率の良いようにシステム化しして最適化する。そうして、売り上げをあげたり、コストをカットしていくことも情報学を経営に応用すればできます。

 

今の社会、情報化社会なんて呼ばれるくらい、すべてに情報が絡んでいますから、情報学は非常に幅広い分野で活躍できる学問に間違いありません。

 

情報系は文系?理系?

 

これもよく聞かれる質問なのですが、情報系は文系でも理系でもありません。

いろいろな情報を取り扱って、それをコンピュータやインターネットなどを利用して処理していくわけですから、当然文系の情報も理系の情報も、そのどちらも取り扱います。

 

だから、情報学は一概に文系や理系に区別できないんですね。

 

ただ、情報学の分野を詳しく分けると”文系寄り””理系寄り”という区別をすることはできます。

例えば言語コミュニケーション系に情報学を応用したら、言語をメインに学んでいきますから若干文系寄りになりますし、ソフトウェアやコンピュータサイエンス系をメインに情報学を学ぶなら微積や線形代数、アルゴリズムやデータ構造を勉強する必要がありますから、理系寄りになります。

 

情報学は様々な分野と結びついていて、関連性の強い分野を挙げるなら、「コミュニケーション系」「社会情報系」「メディア系」「ソフトウェア系」「コンピュータ系」「人工知能系」「経営情報系」「認知科学系」などなど…たくさんの分野があります。

 

このようにどの分野と情報学を結びつけるかによって、文系寄りになるのか理系寄りになるのか変わってくるので、はっきりと文理を分けることができないんですね。

ちなみに、自分の大学の情報系学部は、”文理融合型の学部”などと謳っていました。

 

情報系学部はどんな能力が身につくのか?

 

情報系の学部は、基本的にパソコンに関するスキル+αが身につきます。(※ただし本人の努力次第)

 

プログラミングなどは必修ですし、その他にもWebデザイン系、コミュニケーション系、論理回路系、セキュリティ系、統計学・データ解析系、メディア系など様々な講義が選択必修講義でありますので、自分の身につけたい能力によって、柔軟に講義を選ぶことができます。

 

ですから情報系の学部だからといって、コンピュータのことばかり学ぶのではなくて、イメージとしては「情報学+何か別の分野」と考えた方がおそらく適切です。

 

例えば、自分だったら、「情報学+経営システム系」を学んでいますので、基本的なプログラミングやパソコンの能力に加えて、経営システムに関する研究なんかをしていますね。

だから、自分の学びたい分野によって、「情報学+好きな分野」の能力を身につけることができるでしょう。

 

 

ここからは自分の感覚的なお話になってしまいますが、情報系の学部って、よく言うと柔軟性が高くて、悪く言うと中途半端なんですよ。先ほども言ったように、情報系の学部は文理の区別が曖昧です。(便宜上、理系に区別されることが多いですが)

 

だから、なにも考えずに情報系の学部で大学生活を過ごしてしまうと、「ちょっとパソコンが使える一般人」になってしまうんですね。特に文系寄りの情報学に進み、何も考えずに過ごしてしまうと、本当に悲惨です。

文系寄りの情報学だから、プログラミングスキルやWebスキルも大して身につかないので、それこそ、「少しタイピングの早い文系」みたいな学生になってしまいます。

 

逆に、自分でどんどん研究して行く人にとっては、縛りの少ない学部ですので、快適な学部になります。

情報系のことを学びながら、自分の研究した分野に情報学を身につけて、柔軟に勉強できるので非常に自由度が高く、好きな分野の研究をすることができるんです。

ですから、勉強意欲のある人には情報系の学部はオススメです。

 

ただ、情報系の学部に進んだら、最低限のプログラミングのスキルやパソコンに関する知識を身につける努力をしましょう。やっぱり、就活などで情報系の学部出身ですと言うと、ある程度のパソコンスキルが期待されますからね。

特に、文系寄りの情報学を学ぼうとしている人は注意が必要です。(文系寄りの情報学とは、メディア系とかコミュニケーション系のこと)

 

情報系学部の就職先

 

大学進学をする人で情報系を学ぼうと考えている人が、一番気になるポイントだと思いますが、情報系学部の就職先は多種多様です。

 

やっぱり、IT系に就職する人が多いですが、銀行だったり、公務員だったりと文系寄りの就職をする人もたくさんいます。多分、就職先の種類が一番バラバラなのが情報系の学部だと思います。大学院に進学する割合は全体の3,40%かな。

 

で、この就職先ですが、学部時代の努力がはっきりと現れます。大学時代、しっかりと努力した人はどんな分野でも内定を取ってきますが、何もしていない人は情報学を学んだ意味があったのか分からないような一般事務職に就いています。これは、他の学部でも同じでしょうけど。

 

情報学は悪い意味で中途半端ですから、自分から興味を持って勉強していかないと、本当に専門スキルを身につけることができません。工学部のように電気電子や機械システムの専門知識をつけるわけでもなく、法学のように法律の専門知識を学ぶわけではありませんから、本当にただのパソコンが少し使えるだけの人間になってしまうんですね。

 

情報学はどの分野とも結びつけることができますから、そういう意味では努力次第で、様々な就職先があるでしょう。

 

まとめ

自分が情報学を学んでいることもあって、情報学・情報系学部について簡単にまとめました。

 

あくまで、僕個人の主観的な意見や感覚からお話したので、用語の正確な意味合いとは異なっている部分もあるかもしれません。そのあたりはご了承ください。

 

情報学は個人的にすごく学びごたえのある分野だと思っています。

本当に様々な分野と結びつけることができて応用しやすい学問なので、比較的自分の好みの研究ができるというのが一番のメリットでしょうか。

 

今の時代が情報化社会といわれているように、これからはある程度の情報系スキルは様々な分野で必須となってくるでしょう。だから、将来性のある学問分野だとも思います。

 

情報系の学部に進学を考えている受験生のみなさんの参考になれば幸いです!

 

余談※受験生向け

はい、ここからは余談です。

情報学にあまり関係なく、完全に情報系学部に進学する受験生向けのお話になるのですが、情報系学部について少しお話します。

 

余談1:情報系学部の雰囲気は?

 

情報系の学部の学生は基本的に大人しいです。

やっぱり、コンピュータの好きな人が集まりますから、インドア派の学生が多いですね。後、これは自分の大学だけかもしれないですが、アニメ好きの人も多い気がします。

 

最近よく使われる、リア充・非リアという言葉を使って、情報系の学部を表すのなら、リア充:非リア=2:8くらいの割合です。とにかくインドア派が過半数を占める学部ですね。大人しい学生ばかりです。

だから、イケイケ組と大人しい組の温度差がびっくりするくらいあります。

 

高校時代バリバリの運動部を体験してきた自分にとっては、ちょっと馴染みにくい学部でした 笑

基本的にみんないい人たちではあるのですが、少し大人しすぎて馬が合わなかったな…。

 

余談2:女子学生の割合は?

 

情報系学部は基本的に女子の割合は低い、つまり女子生徒はほとんどいません。情報学系学部にわずかにいるイケイケ組も基本的には、他の学部の女子学生と付き合いを持っています。

 

だから、華やかな大学生活を求めている人にとっては、少し辛い部分もあるでしょう。

 

だた、文系寄りの情報学(コミュニケーション系やメディア系)になると、多少女子の割合が増えます。といっても、文系の学部よりは圧倒的に女子学生が少ないので期待はできません。

 

余談3:単位を取るのは難しい?

 

これは、情報学の中のどの分野を学ぶかによって大きく変わります。

 

理系寄りのコンピュータサイエンスや人工知能系の情報学分野を専攻すると、単位を取る難易度は一気に上がり、3~4割の学生が単位を落として再履修をする羽目になります。

留年する学生もけっこう目立ちますね。

 

一方で、文系寄りの言語コミュニケーションやメディア系の情報学分野を専攻すると、理系寄りの情報学よりも比較的に簡単に単位を取ることができます。そのかわり、文系寄りの情報学を専攻すると、プログラミングやコンピュータ系のスキルがあまり身につきませんから、理系寄りの情報学を専攻した人に比べて、就職に苦労しているイメージがあります。

 

余談4:どんな人に情報系学部はオススメか?

やっぱりパソコンが好きというのは大事だと思います。パソコンを触る機会が他の学部に比べて圧倒的に多いですから。

 

あとは、今の時点であまり学びたい分野が明確ではない人にもオススメかな。

情報学を学んでおけば、その後に他の分野と結びつけることができますから、受験の時点で文系か理系かをはっきりと決める必要がありません。研究分野の決定を少し後出しできるので、将来学びたいことがまだ分からない人には選択肢としてありだと思います。

 

ただ、本当に学生時代の努力が明確に現れる学部だと思うので、勉強の意欲があったほうが圧倒的に好ましいです。

 

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